M5StickC Plusの開発環境(Arduino IDE)構築の手順

執筆:丸石 康

 

第4部 第3章では,2台のM5StickC Plusを使って,AWSのMQTTブローカを介した機器間のデータ通信を行います.ここでは,M5StickC Plusの開発環境(Arduino IDE)のセットアップ手順を解説します.

 

●ステップ1:Arduino IDEのセットアップ

Arduino側の開発環境をセットアップしていきます.今回はWindows 10環境に対して,バージョン1.8.13のWindows Installer版を使用してセットアップしました.次のURLからダウンロードして下さい.

https://www.arduino.cc/en/main/software

 

●ステップ2:ESP32とM5StickC-Plus用ライブラリのセットアップ

まずはESP32用のコンパイル環境をセットアップします.Arduino IDEではデバイスのコンパイル環境のセットアップにボードマネージャが利用できるので,ここにESP32の対応を追加します.まずはArduino IDEを起動し,ツール・バーの[ファイル]-[環境設定]を選択し,開いたダイアログの「追加のボードマネージャのURL」枠右のアイコンをクリックし,以下のESP32パッケージのJSONファイルURLを入力して[OK]を押します(図1).

図1 ESP32をボードマネージャに追加する

 

 

次にArduino IDEのツール・バーの[ツール]-[ボード: (現在選択されているボード名)]内の[ボードマネージャ…]を選択し,「esp32」というキーワードを入力すると図2のような項目が出てきますので,[インストール]を選択して完了させます.

図2 ESP32用のパッケージをインストールする

 

ここまででESP32自体の開発はできるようになりました.M5StickC-Plus向けのコンパイルを行う場合には,図3のように「M5Stick-C」を選択します.

図3 M5StickCを選択する

 

引き続き,M5StickC-Plus用のライブラリをセットアップします.

https://github.com/m5stack/M5StickC-Plus

にアクセスし,緑色の[Code]ボタンを押して[Download ZIP]を選択します(図4).ダウンロードしたファイルはM5StickC-Plus.zipというファイル名で保存しました.これをArduino IDEに取り込みます.Arduino IDEのツール・バーの[スケッチ]-[ライブラリをインクルード]-[.ZIP形式のライブラリをインストール…]を選択し,先ほどダウンロードしたファイルを選択し,[開く]をクリックします.Arduino IDE画面内に「ライブラリが追加されました。・・・」の表示が出れば完了です.

図4 M5StickC-Plusライブラリのダウンロード

 

●ステップ3:MQTT通信ライブラリとJSONライブラリのセットアップ

以下のMQTT通信ライブラリとJSONライブラリを使用し,JSON形式のデータをMQTTブローカを介して授受することとします.Arduino IDEのツール・バーの[スケッチ]-[ライブラリをインクルード]-[ライブラリを管理…]を選択すると,ライブラリマネージャのダイアログが開くので,「MQTT by Joel Gaehwiler」と「ArduinoJson by Benoit Blanchon」をインストールしてください(図5,図6).今回は執筆時点での最新バージョンである以下を使用しました.

・MQTT:2.4.8

・ArduinoJson:6.17.2

図5 MQTTライブラリのインストール

 

図6 ArduinoJsonライブラリのインストール