Interface編集部

2025年4月号特集3部サポートページ
記事で紹介した,筆者作成の動画+αを紹介します.
(仁野新一著)
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ベクトル制御の解説動画集
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①2相スイッチ操作インバータ動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1869040899478675790
ケース・ロータに対して,一定の角度差(90°)での一定の電圧を印可します.ロータ基準にして一定のベクトル電圧一定の回転動作が起こることを観察できます.X相スイッチでX軸のコイル,電磁石を通電すると,Y軸方向にある磁石には直交する方向(q軸)に磁力が作用し,X軸方向に90°回転します.また,Y相スイッチでY軸のコイル,電磁石を通電すると,X軸方向にある磁石には直交する方向(q軸)に磁力が作用し,Y軸方向に90°回転します.
★動画見どころポイント
・1秒:製作したアウタ・ロータ型ブラシレス130モータはケースの内側にN極赤,S極青1対の磁石があります.
・6秒:X軸方向には中心軸を挟み2つのコイルが並び,Y軸方向には中心軸を挟み2つのコイルが並び,X相とY相の2相コイルがある
・24秒~:X相,Y相スイッチ操作で動作確認
★補足動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1891974950493274119
2相でコイルが4つあると,2相になっていることが分かりにくく誤解することもあるようなので,同じ操作をX相,Y相コイルが1つずつで,構造が見えるモータを作りました.ブラシレス130モータは回している時ステータ・コイルとロータ磁石の関係は見えなくなりますがこれは常に位置関係を意識して確認できます.
②2相手回しインバータ動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1870130268063089053
2相スイッチ操作インバータ動画では X相,Y相を独立して操作していました.同じスイッチを90°位相差で配置し,ハンドルを回してやることで各々同じ動作を90°位相差で行えば,モータが回転していくのだということが観察できます.
★動画見どころポイント
・15秒~:反時計回し例
・35秒~:時計回し例(スイッチ駆動の位相が逆になれば,モータも逆回転)
★補足動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1892584616139071894
①同様,X相,Y相1個ずつの2相モータで回してみた例です
③3相手回しインバータ動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1863976718610108666
ブラシレス・モータは実用品では半導体での電子制御によるベクトル制御で回転させますが,回転動作自体は極低速であれば機械スイッチの組み合せの手回しインバータでのベクトル制御,120°位相差での交流発生器で回すことができます.
★動画見どころポイント
・5秒 :ミニ4駆でおなじみの130モータ
・20秒~:130モータを改造してブラシレスモータにしたもの
・60秒~:反時計回り,手回しインバータで回転させます.
・75秒~:時計回りで回転,ハンドルの手回し回転(交流サイクル)とモータの回転が同期しているのがわかります.
★補足動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1891520407062061182
130モータでのブラシレス・モータではケースで中が見えないのでステータ・コイルの位置とロータの角度を確認しながら回せません.また,130モータでのブラシレス・モータでは鉄心による回転を阻害するトルクがあるため,手回しインバータは60°単位で電圧ベクトル角度が変化していますが120°単位でしか動けませんが,こちらの動画でのモータは鉄心がないので3相交流によって60°ステップで電圧ベクトルの角度が切り替わる毎にロータが60°ずつ回転するのが観察できます.
④センサ無しベクトル制御例1/2
https://x.com/shinichi_nin/status/1865423134415089767
3相手回しインバータでは180°切り替えの矩形波単相交流を3つ合成したベクトル電圧でデジタル的なカクカクした動きでしたが,電子制御によるPWM変調による正弦波等価電圧での駆動によりアナログ的に電圧が変化するため合成ベクトル電圧は一定の大きさで回転するため,滑らかにゆっくり回すことが可能になる例を紹介しています.
★補足動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1890525904872554780
ロータが見える3コイル型3相ブラシレスモータでの正確な速度での超低速回転例です.PWM変調による3相正弦波ベクトル電圧制御することにより,3つしかコイルがない3相モータでも電圧ベクトルを正確に定速度で動作させることが可能で1分間に1回転,時計の秒針相当で滑らかにモータを回転させる例です.
https://x.com/shinichi_nin/status/1892947035130933304
2相ブラシレス・モータでも3相と原理は同じなので,2相交流90°位相差の1分1サイクル交流で秒針速度で回せます.
https://x.com/shinichi_nin/status/1891157889881878532
3相正弦波ベクトル制御では1相故障時においても不安定ながら2相で回転させることが可能な例です.HV車,EVなどでは1相故障時においても,退避走行のために非常時制御での2相制御もあります.
⑤センサ無しベクトル制御例2/2(max3000rpm)
https://x.com/shinichi_nin/status/1865777222050885677
手回しインバータでは高速で回すことはできませんが,電子制御ならではのベクトル電圧の高速切り替え制御により3000rpmまで回転させた例です.回転速度と負荷の関係が一定の用途では,駆動交流周波数と要求出力電流の関係が計算で求めることが可能で比較的簡素な制御系でモータを駆動することができます.
★補足動画
https://x.com/shinichi_nin/status/1890775165102895606
ロータ,コイルが見える3相ブラシレスモータで3000rpmまで回す例です.
https://x.com/shinichi_nin/status/1893310736056660083
2相ブラシレスモータでも高速回転はもちろん可能です.
⑥センサ付きベクトル制御動作例(max5000rpm)
https://x.com/shinichi_nin/status/1866493945016205624
ロータの回転角度センサを追加することにより常にマイコンなどの制御器がロータの磁石の位置,角度を認識することで常にロータの磁石に対してステータ・コイルから最適な角度で磁束の発生を可能にしたものです.不意の負荷変動があっても脱調(磁石とステータからの磁束の方向が崩れる)することなく安定した駆動制御が可能になります.
⑦1相ブラシレスDCモータ(2025.3.12更新)
https://x.com/shinichi_nin/status/1898376686913437946
①~⑥までで2相ブラシレスDCモータ,3相ブラシレスDCモータの制御を紹介しました.1相ブラシレスDCモータも実用的ではないですができます.1相なので,多相合成のような回転ベクトルは作れないので振動ベクトルになります.このため,滑らかに回しにくいですが,q軸に磁界が作用するように制御すればちゃんと回ります.