Interface編集部

2025年6月号特集 GPU&NPUプログラミング 特設ページ
★2025年6月号の目次はこちら★
https://interface.cqpub.co.jp/magazine/202506/
★ラズパイGPUプログラミング環境のサポート・ページはこちら★
https://interface.cqpub.co.jp/202506_pigpu/
●AI処理高速化のカギを握る「GPU」と「NPU」
ここ数年で広く普及しているAIやディープ・ラーニング技術ですが,その処理には高い演算能力を持つプロセッサが不可欠です.AI関連のプロセッサは,ここ数年ですさまじい勢いで進化しています.推論の分野では,GPU(Graphics Processing Unit)とNPU(Neural Processing Unit)を中心に,各社からさまざまなアーキテクチャの製品が登場しています.これらのプロセッサの性能を引き出すためには,AIやディープ・ラーニングの演算をハードウェアでどのように処理しているのかを理解しておくことが重要です(図1).
図1 AIやディープ・ラーニング高速化のカギを握る「GPU」と「NPU」
本特集では,AIやディープ・ラーニングの高速化のカギになる並列処理のプログラミングについて解説します.ラズベリー・パイ1台ではじめられるGPUプログラミングの入門から,注目のNVIDIA GPUを使った高速化技術,話題のNPUを使った製作事例などを紹介します.実際に手を動かしながら,並列処理プログラミングの基礎を学ぶことができます.
●特集の全体構成
・第1部 AI時代のプロセッサ選び
・第2部 ラズパイからはじめる!GPUプログラミング
・第3部 NVIDIA CUDAで本格GPUプログラミング入門
・第4部 NPUプログラミングで製作体験
・特設 GPU&NPUカタログ2025
●ポイント①…ラズパイ1台で本格GPUプログラミングがはじめられる
第2部では,ラズベリー・パイ4/5をのSoC内蔵GPU(写真1)を使って,OpenCL 3.0によるGPUプログラミングを通じて,GPUに関する基礎知識から,高速化技術までを学びます.GPUプログラミングによるHello worldから,処理ベクタ長/並列数/コピー処理などの最適化手法まで,幅広く紹介します.
写真1 ラズベリー・パイ4/5 のSoC に内蔵されているGPU でも本格的なGPU プログラミングが試せる
●ポイント②… NVIDIA GPUで本格的にはじめる方法も紹介
第3部では,NVIDIA製GPU(写真2)の開発環境であるCUDAを使った本格的なGPUプログラミングの手法を紹介します.CUDAで並列演算が高速になる仕組みから,AI処理の体験,シンプルなシミュレーション・ゲームの作成/高速化などを通じて並列処理の本質をつかみます.
写真2 エヌビディアのGPU 製品はグラフィックス・ボードとして容易に入手できる
Maxwell以降のアーキテクチャを採用しているGPUであれば,最新のSDKであるCUDA Toolkit 12.8が動作する( エヌビディアのGeForce,TITAN,Quadro,Tesla,Jetsonシリーズの多くが対応)
●ポイント③…NPUの製作事例も紹介
第4部では,NPUを使った製作事例を2つ紹介します.FRDM-MCXN947(写真3)は,マイコンでありながらNPUを内蔵するMCX N94xを搭載するマイコン・ボードで,数千円で手軽に入手できます.Raspberry Pi AIカメラは,NPUを内蔵するイメージ・センサIMX500を搭載するカメラ・モジュールです.
写真3 NPU 内蔵マイコン搭載ボードFRDM-MCXN947