STマイクロ,インテリジェント・センサ処理ユニットを搭載した6軸MEMSセンサを発表

STマイクロエレクトロニクスは,6軸センサ(加速度/ジャイロ)にインテリジェント・センサ処理ユニット(ISPU)を搭載するMSMSセンサを発表した.ISPUには,32ビットRISCコア(10MHz),浮動小数点演算ユニット,40kバイトRAM,バイナリ・ニューラル・ネットワークなどを含む.このISPUにエッジAI処理を任せることで,マイコン搭載システムの消費電流を1/5程度に低減できるとする.

 

6軸センサ(加速度/角速度)による異常検知をエッジで行うことでマイコンにかける負担を減らせる.写真右下はISM330ISN

 

このISPU搭載MEMSセンサ自体は2022年秋には存在したが,2023年になってISPUの開発環境が整ったため,今回の発表となった.開発環境には,
・ファームウェア
・機械学習コア
・ステート・マシン用ライブラリ
・評価用GUI
などを含む.

システムを低消費電力化できるISPU搭載MEMSセンサは,
・荷物輸送時の衝撃管理
・行動認識
・歩行分析
・工場における異常値の検出
などでの利用が見込まれる.

 

ファン動作の異常検知のデモ…定常状態をAIで学習しておき,例えば,写真中のファンを縦に置いたときに異常と検知する

 

STマイクロエレクトロニクス モーションMEMS&環境センサ製品部 アナログ・MEMS・センサ製品グループ 部長 古川雅一氏