Interface編集部
日本パルスモーター取材 2025年2月27日
2025年2月27日，日本パルスモーター テクノセンター（東京都東大和市桜が丘）にて，同社の製品ラインナップを紹介いただいたので報告する．テクノセンターには，製品開発，購買，マーケティング部門が入っている．本社は文京区本郷にあり，総務及び営業部門が入っている．青森県の岩木工場には製造，製品開発部門が入っている．
日本パルスモーター テクノセンター （東京都東大和市）
同社はモーター／アクチュエーター製品として，リニアシャフトモーター，直動型ステッピングモーター，２相ステッピングモーター，シンクロナスモーター，クローズドループステッピングモーターを，
モーションコントロール製品として，パルスコントロールLSI，シリアル通信システムMotionnet（構築用LSIおよびボード），産業用ネットワーク（EtherCATおよびCC-Link IE TSN）対応のモータードライバー，パルスコントロールLSIを搭載したコントローラー，モータードライバーをラインアップする
日本パルスモーターの製品ラインアップ
テクノセンターは製品開発や検査を行なう場所であり，見せられない情報があったり，見ても事務所にPCだけという状況であったりする
ということで，同センター内に設置してある「展示会用デモ機」を紹介していただいた．
直動サーボモーターである，シャフトモーターS160Dのマルチ駆動デモ．4つの可動子それぞれにつないだサーボドライバをEtherCAT通信で制御．同期をとったたうえで，個々に動作可能．
0.05μm分解能のエンコーダでフィードバックを行い精密位置決めをしている．
シャフトモーターを組み込んだ精密ステージも展示していた．シャフトモーターSX100Tを搭載した精密ステージ「SPSシリーズ」のデモ．推力は定格6.8N，加速時27N．エンコーダの分解能はインクリメンタルで最小2nm，アブソリュートで最小5nmを選択可能．
シャフトモータを用いた，薄型顕微鏡用XYステージ製作例．XY移動量45㎜/30㎜．位置決め分解能50nm．高速制御が可能（最高400mm/s）．
パルスコントロールLSI PCL6046でのステッピングモーター円弧補間デモ、ラズベリー・パイPicoをCPUとして、LSIに指令を与えている
シャフトモーターによる分注ユニット「ChiDori」．マイクロプレートと同じ9mmピッチで8軸を配置し，各軸を独立して動作させることも可能．
精密制御，動作音も静かで，ダイレクト駆動のため装置の外形もコンパクトにできる
シャフトモーター用の磁気式カウンターバランス「gLESS」．垂直軸でサーボオフしたとき自重による落下を防止できて，通電中も自重保持するための電流を減らすことが可能．バネを使用した場合は， 位置によって発生力が変動してしまう（バネが縮むほど力が増える）が，磁気式のため常に一定力となり制御への影響が少ない．また磁束漏れを少なくするよう工夫されている．
クローズドループステッピングモーター「PULSERVO Ⅱ」．ステッピングモーターに、エンコーダーフィードバックと電流制御を組み合わせ、効率よく制御する. モータードライバーはEtherCAT通信に対応している
EtherCAT対応のステッピングモータードライバー「EC-AD1242A1」．右の黄土色のヒートシンクの下にラズベリー・パイがあり、ソフトウェアPLC「CODESYS」が動作，EtherCAT通信を介して，1軸ステッピングモータードライバーEC-AD1242A1を複数コントロールしている
シャフトモーター「S160Q」2台を使った力覚伝達ハプティクスのデモ．スレーブ側ではスポンジ：黒を挟んでいる．マスター側を押し引きすると，スポンジの感触が手に取るようにわかる．シャフトモーターがもつ，電流-推力特性の直線性が活かされた用途である
「Motionnet」でステッピングモータを64軸、同時制御をしているデモ．クローズドループステッピングモーター「PULSERVO」を使用．透明なブロックそれぞれに３色LEDが内蔵されていて「Motionnet」の32点I/Oボードで点灯色を制御している
「パルスコントロールLSI」のラインアップ，モーター制御用パルス列を生成することができる
シリアル通信システム「Motionnet」構築用LSIのラインアップ，多点I/O制御と多軸モーター制御を組み込んで省配線化
帰り道，多摩モノレールの線路が真横に．
多摩モノレール桜街道駅まで徒歩3分，貴重な機会をいただき，ありがとうございました．
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