Interface編集部
ヴェルト,高度人材の知を継承・進化させる AI「コーザルAIアシスタント」発表
ヴェルト(東京都渋谷区)は,同社が提供するコーザルAIプラットフォーム「xCausal(クロス・コーザル)」において,「コーザルAIアシスタント機能」と,その実装を支援するプロフェッショナル・サービスを新たに発表した.2026年1月より順次提供が開始される予定.
この新機能は,企業や組織が持つ高度な専門家や熟練者の知識を因果関係としてモデル化し,組織内でディジタル活用することを可能にする.
従来の一般的な生成AIや RAG(検索拡張生成)では,知識を大量に扱えるものの,確率のみに基づいて回答するため,再現性や説明可能性のある結論を導くことが困難だった.これに対しコーザル AI アシスタントは,人間が「なぜそういう結果になるのか」という因果関係に基づいて意思決定を行う知見をモデル化し,暗黙知を含む専門知識の整理と活用を可能にする.
これにより,現場のベテランや専門家に尋ねるのと同等の答えを,再現性と説明性を備えた形で提示できるディジタル高度人材を組織内に常駐させることが可能になるとする.

写真1 コーザルAIアシスタントについて発表するヴェルト代表取締役 CEO 野々上 仁 氏
●特徴:自律的な因果モデル構築を可能にするエージェント群
コーザルAIアシスタントの最大の特徴は,複数の AI エージェントが連携し,因果モデルの発見,改善,活用を自律的に実行する点にある.このプロセスを支える主要機能として,「因果知識抽出エージェント群」と「自律型因果モデリングエージェント群」がある.
▲1 因果知識抽出エージェント群
組織内の知見を初期モデルに組み込む役割を果たす.文献や業務資料などのテキストから,既知の因果関係を自動的に抽出する.抽出された知識は事前知識としてルール適用が可能であり,専門家から得た知見に加えて,体系的に分かっている知識をモデルに取り込むことができる.抽出と自動チェックが行われた後,専門家の承認を得て事前ルールとして設定する.
▲2 自律型因果モデリング・エージェント群
従来,人手によって長い時間をかけて行われていた因果関係の発見,検証,モデル更新といったプロセスをエージェントが担うことで,これまでになかったスピードと精度で因果モデルの構築と進化を実現する.
●ヴェルトについて
株式会社ヴェルトは,社会課題解決とイノベーションを加速するデータサイエンス・カンパニ.算出結果の根拠を解釈し説明できる因果関係ベースのホワイト・ボックス技術を重視し,「信頼できるAI」を提供する.

写真2 製造現場のデータ,知見をどのように継承するか,また,xCausalにどのように取り込んでいけるかについてディスカッションが行われた
左からインテージ:飯野 洋志氏,シグマクス:坂間 毅氏,ヴェルト:野々上 仁氏
















