STマイクロエレクトロニクス,車載エッジAIを加速させる業界初のNPU搭載マイコン「Stellar P3E」の技術仕様を公開

STマイクロエレクトロニクスは,次世代のソフトウェア定義型自動車(SDV)および電動化(xEV)に向けて設計された,業界初の車載用AIアクセラレータ搭載マイコンStellar P3Eの主要スペックを公開した.高度なリアルタイム制御とエッジAI機能を単一デバイスに集積し,最高レベルの安全基準であるASIL-Dに準拠している.

動作周波数500MHzのArm Cortex-R52+プロセッサを最大4コア搭載する.

車載用マイコンとして専用のNPU「ST Neural-ARTアクセラレータ」を内蔵する.従来のマイコンのコア・プロセッサと比較して最大30倍の処理効率を実現し,マイクロ秒単位での瞬時なAI推論を可能にする.

相変化メモリ(PCM)技術をベースとしたST独自の不揮発性メモリxMemoryを最大19.5Mバイト搭載している.このxMemoryは,従来の内蔵フラッシュの2倍の密度を備え,OTA(Over-the-Air)更新時のダウンタイム・ゼロを実現するデュアル・イメージ・メカニズムをサポートしている.
また,汎用SRAMとして1792Kバイトも内蔵している.

電動パワートレインの「X-in-1」統合を支援するため,極めて豊富なアナログおよびタイマ機能を備えている.
・12ビットSAR A-Dコンバータを12,16ビット シグマ・デルタA-Dコンバータ(DSP内蔵)を10ユニット搭載し,合計90系統以上のA-Dコンバータ信号を処理できる.
・102psの極めて高い分解能を持つPWM制御が可能であり,エネルギー変換効率の向上と部品の長寿命化に寄与する.
・5つのマルチスレッド・コアを備えたGTM4134(Generic Timer Module)を統合し,複雑なモータ制御をリアルタイムで実行する.

高速化する車載ネットワークに対応するため,1Gbps Ethernetに加え,最新のCAN XL(2チャネル)およびCAN FD(10チャネル)をサポートしている.
セキュリティ面では,第2世代のハードウェア・セキュリティ・モジュール(HSM)を搭載し,EVITA(e-safety vehicle intrusion protected applications)のフルサポートおよびISO/SAE 21434への準拠を果たしている.

Stellar P3Eは,FPBGA292(17x17mm)およびFPBGA476(21.3×21.3mm)のパッケージで提供され,接合部温度最大150℃の厳しい車載環境に対応する.
現在サンプル出荷中であり,2026年第4四半期に量産を開始予定.