ラズパイでPLC~電動カーテン・レールの作り方~

写真1 製作した電動カーテン・レール


図1 製作した電動カーテン・レールの模式図


 写真1に,電動カーテン・レールの駆動部を示します.家庭向けの比較的軽量なカーテンを電動で開け閉めすることが出来ます.
●意外と簡単な構造の電動カーテン・レール
 図1は電動カーテン・レールの駆動部の構造を示したものです.少し端折っていますが,900×40×15㎜の木材(構造材)にプーリや減速機付きモータを取り付け,それぞれの間にワイヤを張っただけの簡単なつくりです,
使用したメカ部品はタミヤの「楽しい工作シリーズ」の金具や,プーリ,プラスチック部品を使いました.表1に使用部品の一覧を示します.モータ以外の小物部品は,どれも数百円程度のものです.使用した部品の一部を写真2に示します.

品名 型番 メーカ名 個数 定価[円]
木材 900x40x15mm 1
ユニバーサル金具 ITEM 70164 タミヤ 1 462
プーリー(S) ITEM 70140 タミヤ 1 396
プレートセット ITEM 70098 タミヤ 1 396
遊星ギア ITEM 72001 タミヤ 1 1,650

表2 電動カーテン・レールの製作に必要な部品一覧

写真2 製作に際して使用した主な部品

●加工と組み立て
 アングルパーツは樹脂製でやわらかいのでニッパなどで簡単に切ることが出来ます.写真2のように切ってストッパとして使用します.
写真3,写真4はプーリの組み立てを示したものです.
 M3×20㎜のナベねじをナットで金具に固定します.金具は写真3のようにネジが垂直に立つように木ねじで固定し,ねじにプーリを取り付けます.写真1の木材の両端についているφ30mmのプーリはこのようにして取り付けたものです.

写真3 プーリ部に使用する部品

写真4 プーリを組み立てたようす

写真5 ドロー部の金具と丸圧着端子,ねじ,フランジ・ナットを組み立てたようす

●駆動部
 モータは同じくタミヤの遊星ギヤーボックスセット(ITEM72001)を使用し,減速比は80:1としました.遊星ギヤは木材の端面にキット付属の金具を使い木ねじで固定しています.遊星ギヤの出力軸にはφ20のプーリを取り付けます.
プーリには,φ0.5㎜のワイヤを1周巻き付けて使用しますがこの際に,プーリがワイヤを引き摺って回るような動きになるために,出力軸は強い力に負けて回ることが無いように,しっかりとM3のナットで締め付けるようにします.

●張力調整のためのドロー部
 ワイヤの張力調整のためのドロー部は写真5のように金具を切り分けたものを使います.ねじ・ナットは3組使います.上側の2組には金具に付属しているフランジ・ナットを使います.はじめに,金具と丸圧着端子(1.25-4),ねじ,ナット,フランジ・ナットを写真5のように組み立てます.
ワイヤは,フランジ・ナットの大きくなった底面のフランジ部分を通して固定します.固定する場所はなるべくワイヤの中間地点にします.ワイヤを丸圧着端子の中に通すことで,ワイヤを外れにくくします.丸圧着端子はワイヤを通すだけで圧着はしません.

▲たるみで調整
 写真5はナットとナットの間でワイヤをたるませてい.このたるみでワイヤの張り具合を調整します.

▲ワイヤを張る
 最後に,ワイヤをモータ・プーリに1周巻き付けた上でプーリ間をぐるっと一周させます.
ワイヤの両端がカーテン・ドローのほぼ反対側に来たと思います.ここに,引きスプリングを取り付けます.
 引きスプリングが少し伸びる位のテンションがかかる長さでワイヤを切り,両端に丸圧着端子(1.25-4)を圧着し図1のようにスプリングに引っ掛けます.カーテン・ドローの可動範囲を確保する形で左右のワイヤ・ストッパを写真6のように取り付けます.

写真6 ワイヤ・ストッパを取り付けたようす


●取り付け
 カーテン・レールに製作した木材を固定し,カーテンを開閉させながらワイヤのテンションを調整します.
モータの配線は家電コントローラのMOT+とMOT-の端子につなぎます.