【連載】舞いあがれ人力飛行機

【連載】舞いあがれ人力飛行機 のサーポートページです.

ページ数の都合で掲載できなかった情報を中心に紹介します.

 

連載回 タイトル
第1回 センサとアクチュエータ
第2回 フライト・ロガーのハードウェア
第3回 フライト・ロガーのソフトウェア
第4回 機体のあちらこちらに取り付けたセンサ・データの集め方
第5回 機体の推力に直結するクランク回転数の測定
第6回 対気速度の測定…ピトー管とベーン式
第7回 風向計…ベーン式と多孔ピトー管式
第8回 高度測定の実力比較…超音波/LiDAR/GNSS/気圧センサ
第9回 操縦桿にフライバイワイヤ式を導入し組み立てやすさやケーブルの取り回しを改善

■未掲載情報

第9回

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ワイヤリンケージ式・フライバイワイヤ式の比較
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ワイヤリンケージ式には,次のようなメリットがあります.
・電源がなくても動作するため,バッテリ切れの心配がない
・操縦桿が操縦舵面に直接つながるため,舵にかかる力を感じ取ることができる
・トラブルの原因が一目で分かることが多い

一方,デメリットもあります.
・ワイヤの取り回しに手間がかかり,操縦桿の位置に制限がある
・操縦索の張力などの調整が組み立てのたびに必要で煩雑
・操縦桿と操縦舵面の切れ角の関係(レバー比)を変えるには部品の付け替えが必要
・センサ・データとの連携は難しい

フライ・バイ・ワイヤ式には,次のようなメリットがあります.
・組み立てはケーブルをコネクタでつなぐだけで簡便
・操縦桿と操縦舵面の切れ角の関係はソフトウエア的に変更可能で,エクスポネンシャルなどの非線形にすることも容易
・操縦桿と制御基板,アクチュエータをつなぐケーブルの取り回しが楽
・センサ・データを活用すれば操縦補助やオート・パイロットも可能
一方,デメリットもあります.
・バッテリ切れが即操縦不能につながる
・トラブルの際に原因が分かりにくい
・フォースフィードバック機構などを使わない限り,操縦舵面に加わる力を操縦桿から感じ取ることはできない

上記の通り,操縦方式の違いによるメリット・デメリットは表裏一体です.
どちらの方式を採用するにせよ,信頼性の高い操縦系の製作にはノウハウが必要です.
人力飛行機チームでどちらを採用するかは,各チームでの実績によるところが大きいです.
操縦方式を変えてからノウハウを蓄積するには数年の期間が必要になります.