Arduino/ラズパイで作るコックピット サポート・ページ

■自宅に本物さながらのシミュレータ環境を構築する

PCや家庭用ゲーム機の性能向上により,ここ数年でフライト・シミュレータのソフトウェアは大きく進化しました.実機の再現性は,もはやゲームとは呼べないレベルに達していて,プロ・パイロットの訓練に使われるほどです.操縦かんやレバー,計器などのハードウェアを用意できれば,自宅にコックピット環境を構築することも夢ではありません.
この連載では,フライト・シミュレータと連携して使える機器を自作する方法を紹介します.具体的には,スイッチとLEDを使った脚の操作レバーとインジケータ,7セグメントLEDとロータリ・エンコーダを使った無線機,ラズベリー・パイと液晶モニタで再現したアナログ計器板などを製作します.入出力デバイスには主にArduinoを使います.
本ページは,連載「Arduino/ラズパイで作るコックピット」において,本誌では紹介できなかった情報を紹介します.

 

■プラグイン開発ソフトウェア「Air Manager」の導入方法

連載第5回(本誌2023年3月号)の補足として,Air Managerの導入手順を説明します.
●事前準備…購入とインストール
今回から,自作機器をフライト・シミュレータに接続する準備を行います.まず,前回(2023年2月号)紹介したAir ManagerをPCにインストールします.
▼導入の手順
Air Managerは,フライト・シミュレータと自作機器とのインターフェースやディスプレイへの計器表示を行うソフトウェアです.開発元のSim Innovations社のウェブ・ページからダウンロードと購入が可能です.
https://siminnovations.com/
非商用向けのHomeライセンス価格は65ユーロです.上記のウェブ・ページから[SUPPORT]-[Wiki]を選択し,「Air Manager for Desktop」の[Download & Install]をクリックすると,インストーラのダウンロード・ページが表示されます.使用OSのインストーラを選んでダウンロードします.
インストールしたら,購入したライセンスを使ってオンラインでアクティベートします.ライセンスはアクティベートした端末にひも付けられますが,3回までアクティベーションをリセットして別の端末にライセンスを移せます.
本稿執筆時点でバージョンはV4(4.1.6)が最新版です.Windows版,macOS版,Linux版がありますが,本連載ではWindows版を前提に解説します.
▼実行機能のみを搭載する「Air Player」
Air Playerというソフトウェアもありますが,こちらはAir Managerで開発したソフトウェアを実行する機能のみが搭載されていて,単独では使用できません.Air Playerは実行環境として追加のPCやラズベリー・パイで計器板や自作機器を動作させるときに使います.開発環境と実行環境で同一マシンを使うときはAir Managerのみ,別々のマシンを使用する場合は開発用マシンにAir Manager,実行用マシンにAir Playerをインストールします.