【USBコラム10】
Power Delivery 2.0とPower Delivery 3.0の違い

2019年8月にPower Delivery規格の最新版Power Delivery Specification Revision 3.0 Version 2.0が発行されました.

ここでレビジョンは通信プロトコルとしての版数を示し,バージョンはそのプロトコルの規格書として版数を示します.本書でPower Delivery x.0といった場合はプロトコルの版数であるレビジョンのことを指しています.

 

Power Delivery 3.0 では,Power Delivery 2.0と比較して次の3 つが大きく変わりました.

 

IECのユニバーサル・アダプタ/チャージャ規格であるIEC 63002に対応し,Source_Capabilities_ExtendedメッセージやBattery関連のメッセージが追加されました.また,パワー・ルール規格がユニバーサル・アダプタ/チャージャの相互互換性を担保する肝となっています.

 

IEC対応やUSB機器間認証のため,従来よりも多くのデータを送信できる拡張データ・メッセージに対応しました.USB機器間認証用にSecrurity_Request/Responseメッセージが追加されました.

 

バッテリ充電を行うデバイスが効率的に充電できるように,充電電圧と電流を直接指定できるシンク主導充電(Sink Directed Charge)に対応し,PPS関連のメッセージが追加されました.

 

特にIECのユニバーサル・アダプタ/チャージャやUSB機器間認証は,今後のUSBの使用に当たって重要な機能になります.これらを実現するためにPowerDelivery 2.0 ではなく,Power Delivery 3.0に対応していることが重要になります.

 

(書籍「USB Type-Cのすべて」コラム6.Aより)

 

 

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