Interface編集部
2021年4月号特集 第2部 開発実習のサポート・ページ
■ブレッドボードで体験する方法
第2部で紹介する例題は,第2部 第2章で製作するトレーニング・ボードで動かせますが,部品を集めればブレッドボードでも同様に試せます.マイコン・ボードには,SAM E51マイコンがあらかじめ実装されているSAM E51 Curiosity Nano Evaluation Kit(マイクロチップ・テクノロジー)を使います.オンボード・デバッガが付いてくるので,PICkit 4などのハードウェア・ツールが無くても試せます.
SAM E51 Curiosity Nano Evaluation Kit(マイクロチップ・テクノロジー)
●用意する部品
ブレッドボードで試すときに使う部品を次に示します.マイコン・ボードと複合センサ以外は,同等品であれば流用可能です.ここでは編集部の実験で使った部品を参考に示します.ブレッドボードは,大きめのタイプなら何でもOKです.USB-UART変換アダプタはTTL3.3Vタイプなら同等品で流用できます.
部品 | 型名 | 参考価格 | 個数 |
マイコン・ボード | SAM E51 Curiosity Nano Evaluation Kit(マイクロチップ・テクノロジー) | 1,800円(Digi-Key,Mouser,RSコンポーネンツ等から入手可能) | 1 |
複合センサ | AE-BME280(秋月電子通商) | 1,080円 | 1 |
SPI接続の128×160ドットLCD(ST7735S搭載) | M018C7735A(aitendo) | 825円(ST7735S/ST7735B搭載の同等品なら流用可) | 1 |
USB-UART変換アダプタ | TTL-232R-3V3(FTDI) | 1,950円(TTL3.3Vタイプの同等品なら流用可) | 1 |
半固定ボリューム(10kΩ) | 3386K-EY5-103TR(SUNTAN TECHNOLOGY CO LTD) | 50円(同等品なら流用可) | 2 |
赤色LED | OSR5JA3Z74A | 10円(同等品なら流用可) | 1 |
緑色LED | OSG8HA3Z74A | 10円(同等品なら流用可) | 1 |
抵抗(470Ω) | CF25J470RB(FAITHFUL LINK INDUSTRIAL CORP.) | 100本入りで100円(同等品なら流用可) | 1 |
抵抗(1kΩ) | CF25J1KB(FAITHFUL LINK INDUSTRIAL CORP.) | 100本入りで100円(同等品なら流用可) | 1 |
コンデンサ(1μF) | RDER71H105K2K1H03B(村田製作所) | 20円(同等品なら流用可能) | 2 |
ブレッドボード | SAD-12(サンハヤト) | 4,840円(同等品なら流用可能) | 1 |
コネクタ付きケーブル | コネクタ付ケーブル 20cm 40P オスオス(SUNHOKEY Electronics Co.,Ltd.) | 160円(同等品なら流用可) | 1 |
ジャンパ・ワイヤ | 165-011-000(E-CALL ENTERPRISE CO., LTD.) | 300円(同等品なら流用可) | 1 |
ピン・ヘッダ(LCD用) | PHA-1x40SG(Useconn Electronics Ltd.) | 35円(同等品なら流用可) | 1 |
●回路
ブレッドボードで実験するときの回路は次の通りです.回路図の画像をクリックすると,PDFファイルが表示されます.
●組み立て
上記の回路図に従って,ブレッドボード上に回路を組み立てます.マイコン・ボードや複合センサ,LCDは,あらかじめピン・ヘッダをはんだ付けしておいてください.組み立て後のようすを次に示します.
●第2部 第2章のトレーニング・ボードからの変更点
マイコン・ボードSAM E51 Curiosity Nano Evaluation Kitは,マイコンの一部端子が外部と接続されていません.そのため,第2部の例題を試すときは,一部の端子配置を変更しておきます.端子配置の変更に伴う修正は次の通りです.これらの変更設定済みのプロジェクト・ファイルは下記から入手できます.
▼端子配置
マイコン・ボードSAM E51 Curiosity Nano Evaluation Kitは,マイコンの一部端子が外部と接続されていません.そのため,第2部の例題を試すときは,一部の端子配置を変更しておきます.変更が必要な端子は,次の通りです.
信号名 | トレーニング・ボードの端子 | SAM E51 Curiosity Nano Evaluation Kitの端子 |
LCDのRST信号 | PA14 | PA21 |
LCDのRS信号 | PA15 | PB31 |
半固定ボリューム抵抗POT1のADC入力 | PB2(ADC0 AIN14) | PB4(ADC1 AIN6) |
半固定ボリューム抵抗POT2のADC入力 | PB3(ADC0 AIN15) | PB5(ADC1 AIN7) |
▼MHCの設定
周辺モジュールとしてA-Dコンバータを使う場合は,ADC0ではなくADC1を使用してください.設定内容は本誌と同じです.
MHCでの端子設定は次の通りにします(Queue_Demoの場合).
▼プログラムの追記
A-Dコンバータに関する記述がある場合は,周辺モジュール名(ADC0→ADC1),端子名を変更してください.変更例は次の通りです(Queue_Demoのtask3.cの場合).
・A-Dコンバータの有効化
ADC0_Enable(); → ADC1_Enable();
・POT1のA-D変換
ADC0_ChannelSelect(ADC_POSINPUT_AIN14, ADC_NEGINPUT_GND);
ADC0_ConversionStart();
while(!ADC0_ConversionStatusGet());
result = ADC0_ConversionResultGet();
Potent.mes.pot1 = (3.3 * result) / 4095;
↓
ADC1_ChannelSelect(ADC_POSINPUT_AIN6, ADC_NEGINPUT_GND);
ADC1_ConversionStart();
while(!ADC1_ConversionStatusGet());
result = ADC1_ConversionResultGet();
Potent.mes.pot1 = (3.3 * result) / 4095;
・POT2のA-D変換
ADC0_ChannelSelect(ADC_POSINPUT_AIN15, ADC_NEGINPUT_GND);
ADC0_ConversionStart();
while(!ADC0_ConversionStatusGet());
result = ADC0_ConversionResultGet();
Potent.mes.pot2 = (3.3 * result) / 4095;
Potent.mes.kind = ‘V’;
↓
ADC1_ChannelSelect(ADC_POSINPUT_AIN7, ADC_NEGINPUT_GND);
ADC1_ConversionStart();
while(!ADC1_ConversionStatusGet());
result = ADC1_ConversionResultGet();
Potent.mes.pot2 = (3.3 * result) / 4095;
Potent.mes.kind = ‘V’;
■関連リファレンス
本誌で参照している各種リファレンスへのリンクを次に示します.
※本誌でhttps://interface.cqpub.co.jp/magazine/202104/を参照するように記載されている箇所です.
●第2部 第1章
▼FreeRTOSでカスタマイズできる機能や構成などの設定項目(本誌p.49)
●第2部 第2章
▼SPI接続の128×160ドットLCD(ST7735S/ST7735B搭載タイプ)用ライブラリが提供する関数(本誌p.53)
▼温湿度,気圧センサBME280制御用ライブラリが提供する関数(本誌p.54)
▼Wi-FiモジュールESP-WROOM-02の主要なATコマンド(本誌p.54)
▼トレーニング・ボードの各種設計データ(本誌p.55)
●第2部 第3章
▼マルチタスクLチカのサンプル・コード(本誌p.65)